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エネルギー業界は“デジタル・カスタマー”との関係をどう再構築するべきか

自由化とデジタル化の流れの中で、エネルギー事業者は嗜好が変化し多様化する消費者との関係をどのように再構築し維持するべきか、新時代の顧客関係性管理(CRM)の在り方を考察します。

「自由化」「デジタル化」で変容する消費者

広瀬 正規

素材・エネルギー本部

公益事業 小売部門統括

マネジング・ディレクター

広瀬 正規

エネルギー業界を取り巻く「自由化」と「デジタル化」の流れは消費者に様々な恩恵をもたらし、消費者の消費行動そのものを大きく変えています。

例えば、2016年の電力小売全面自由化や2017年のガス小売全面自由化は、消費者に供給先の選択肢の多様性をもたらしました。これにより、消費者はエネルギーを「比較する」「選択する」という消費行動を新たにとることができるようになりました。一方で、多すぎる選択肢によりそうした「比較する」「選択する」といった行動が面倒だと感じる消費者も生まれてきています。世界中の消費者に対してアクセンチュアが実施している調査結果によると、78%の消費者は、自分の希望に合わせて最適な料金体系と供給事業者を見つけてくれる自動スイッチング・サービスに関心があると回答しています。

また、驚速の進化を遂げる技術進化によりもたらされるデジタル化は、消費者のエネルギー事業者とのやり取りの仕方を変容させました。コールセンターのオペレーターやフィールド業務担当者、営業パーソンといった従来型チャネルでのコミュニケーションよりも、Webサイト、メール、モバイルアプリといったデジタルチャネルを用いたコミュニケーションを選ぶ消費者が増えてきています。前述の調査によると、日本の消費者は「個人情報の変更」「新たな商品・サービスの情報提供」「転入・転出に伴うサービスの開始・中止」などの接点機会において、よりデジタルチャネルの方を好むという結果が見て取れます。

●消費者が望む各接点機会でのエネルギー事業者とのチャネル


費者が望む各接点機会でのエネルギー事業者とのチャネル


出典:「新しいエネルギー消費者調査2017」https://private-investigator-detective.info/jp-ja/insight-utilities-new-energy-consumer-2017

消費者との関係再構築のためのキーワード

では変容する消費者との関係の再構築のために、エネルギー事業者は何をするべきなのでしょうか。「パーソナライズ」「オムニチャネル」という2つのキーワードが浮かび上がってきます。

前項の通り、エネルギーの比較・選考という一つの消費行動をとっても、その過程そのものを好む消費者とそうでない消費者が混在しています。比較・選考における判断軸も様々に分化しており、環境にやさしいエネルギーを好む消費者、目新しいサービスを好む消費者、純粋に価格の安さを好む消費者、口コミを重視する消費者など、枚挙にいとまがありません。

供給義務を負い、ユニバーサルサービスを提供していた自由化前の時代においては、エネルギー事業者の消費者への対応は一律であることが求められていたのに対し、自由化後の現代は異なる嗜好を持ち異なる消費行動をとるそれぞれの消費者に対して、それぞれの対応をすることが肝要になってきています。地域や世帯構成などの「属性」×「使用量」で消費者を層別するだけでは十分でないことは明らかです。

欧米のエネルギー事業者では、コールセンターの接客履歴やアンケート結果、ソーシャルメディアの情報などあらゆる消費者に関する情報を統合し、消費者の個別理解を深めています。それぞれの消費者ごとに最適な商品・サービスを最適なタイミングで、最適なチャネルを活用し、最適な訴求文句によってアプローチする「ネクスト・ベスト・アクション」という手法を確立しています。例えばコールセンターのオペレーター向けには、消費者からの入電のタイミングで、提案すべき新しいサービスの内容とその消費者向けの訴求文句が、システムから自動提案されるようになっています。



●ネクスト・ベスト・アクションのイメージ


ネクスト・ベスト・アクションのイメージ


もう一つの消費者の変化についても考察を加えてみましょう。前述の通り、デジタル化時代の消費者は、エネルギー事業者との接点機会によっては従来型チャネルよりもデジタルチャネルを志向します。一口にデジタルチャネルといっても、等比級数的な技術進化に伴い、多様性は増すばかりです。エネルギー事業者は従来のように自社サイトに代表されるオウンドメディアだけ構えていればよいのではなく、ペイド/アーンドメディアやLINEのようなチャットボット、モバイルアプリ、またスマートスピーカーやスマートグラスといった新しいデバイスの登場により、それらへの対応も求められることになります。

ある欧米のエネルギー事業者では、自社会員サイトの画面上にチャット用の小窓を設け、住所変更や料金メニューの選択などが可能になっています。また別の欧米のエネルギー事業者では、スマートスピーカーを活用し、当月の請求金額の問い合わせ対応などを実現しています。

より複雑なのは、これらの多様なチャネルにおいて、消費者は一貫し整合性のとれた対応を求めるという点です。繰り返し言及している弊社の調査結果によると、92%の消費者が「どのチャネルを利用しても同様の顧客体験を求める」と回答しています。

デジタル・プラットフォームとCRM中心のアーキテクチャ

急増する消費者チャネルと変化する消費者に対応するための仕組みを整備していくにあたり、エネルギー事業者が留意すべきは、従来型のモノリシック(一枚岩)で重厚な基幹系の料金計算システムが足かせにならないようにすることです。

基幹系システムと、消費者に近いカスタマーフロントのシステムはその設計思想(アーキテクチャ)からして全く異なるべきです。前者が複数年を要しウォーターフォール型で開発され、オンプレミス基盤の上に乗り、自社で運用され、機能拡充があまりなされないのに対して、後者は相対的に短期間なアジャイルで開発され、クラウド上に構築され、クラウドサービス毎のマルチベンダー運用の形態をとり、機能拡充を短期間に繰り返す(小さく産んで大きく育てる)のが通例です。

アーキテクチャの異なる二つのシステム群が混在すると、どうしても片方の思想に引きずられてしまうことになりがちです。必然的に、基幹系の開発サイクルに合わせることにならざるを得なくなります。

こうしたことを防ぐために、二つのシステム群をデカップリング(分離)することが求められます。より具体的には、両者の間に「デジタル・プラットフォーム」というような緩衝層を設けることが必要になります。


●デジタル・プラットフォームによるデカップリング



デジタル・プラットフォームによるデカップリング


分離されたカスタマーフロント系のシステムは、CRMソリューションを中心にクラウド上で構築されるため、消費者や技術の変化に迅速に対応することができます。昨今では、デジタル・プラットフォーム自体もクラウド上にサービス展開されるようになってきており、CRMソリューションを中心とするカスタマーフロントシステムの設計思想は、デジタル・プラットフォーム層にも影響を及ぼしています。将来的にはCISを中心とする基幹系システム層にも影響を及ぼすことが想定されており、CISのモジュール化と段階導入アプローチが主流になっています。


●CRM中心のアーキテクチャ



CRM中心のアーキテクチャ

まとめ

「自由化」と「デジタル化」の二つの潮流により変化する消費者との関係性を構築するためには、エネルギー事業者は「パーソナライズ」「オムニチャネル」をキーワードに取組を進める必要があります。前者を実現するために、まずは様々なデータの蓄積による消費者理解の深化が欠かせません。

増加し続けるデジタルチャネルを活用しつつ、一貫性と整合性をもって消費者に対応するためには、CISを中心とした基幹システム群と思想を異にするCRMソリューションを中心としたカスタマーフロントシステム群が必要で、これらの異なるシステム群をデジタル・プラットフォームにより層別することから着手する必要があります。

素材・エネルギー本部
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